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不動産会社の営業代行|任せる範囲と宅建業務の境界

株式会社adding / コトム 営業代行 編集チーム

FIELD
営業戦略
PUBLISHED NOTES
32
UPDATED
2026年8月11日

不動産会社が営業代行を使うなら、法人や物件オーナー候補の抽出、初回接触、定型項目の確認、面談調整までを外注候補にし、物件の説明、媒介、条件交渉、契約の判断は社内に残します。不動産営業には、接点づくりと宅地建物取引の実務が連続して見える場面があるからです。

接触件数が増えても、対象外の相談や社内で扱えない物件ばかりでは、営業担当者の確認作業が増えます。反対に、代行担当が承認済みの事実さえ案内できなければ、相手は面談へ進む理由を持てません。どこまで話してよいかを、「アポイント獲得まで」といった工程名ではなく、具体的な行為と回答権限で決める必要があります。

境界が曖昧なまま始めないこと。これが、不動産の営業代行を比較するときの出発点です。

不動産の営業代行では接点づくりと取引判断を分ける

不動産営業代行と呼ばれる支援には、反響への一次対応、休眠顧客の掘り起こし、物件オーナーへの接触、法人の移転・出店需要の確認、不動産会社同士の提携先開拓など、異なる仕事が含まれます。まず自社が増やしたい接点を一つに絞らなければ、必要な代行会社も成果物も決まりません。

段階営業代行に任せる候補不動産会社に残す判断
対象設計合意済み条件による候補抽出、除外先との照合対象地域、物件種別、取引目的、扱わない相談の決定
初回接触承認済み資料の案内、窓口と相談意思の確認表示できる実績、免許、取扱範囲の承認
一次確認法人名、相談背景、希望時期など定型項目の聞き取り個別物件を扱えるか、調査や査定へ進むかの判断
引き継ぎ面談調整、確認済み・未確認事項の記録担当者の選任、追加確認、辞退の判断
提案・取引連絡と資料授受の補助物件説明、査定、媒介、条件交渉、重要事項説明、契約

「初回接触なら何を話してもよい」という分け方では不十分です。代行担当が伝えられるのは、会社概要、承認済みのサービス範囲、面談の目的など、事前に確定した事実までにします。個別物件の価値、取引条件、契約できる可能性を聞かれた場合は、推測せず不動産会社へ戻します。

対象は地域だけでなく取引の入口から決める

「東京都の不動産関連企業へ連絡する」という対象条件では、相手がなぜ話を聞くのかが定まりません。法人移転の相談を探すのか、管理を任せたいオーナーとの接点を作るのか、協業できる他社を開拓するのか。同じ地域でも、窓口と確認事項は変わります。

対象条件には、少なくとも次の要素を入れます。

  • 相談の入口:法人移転、店舗出店、物件管理、売却相談、業者間の協業など
  • 相手の属性:事業会社、物件オーナー、不動産会社、士業、金融機関など
  • 地域と物件種別:対応地域、住宅・事業用、売買・賃貸、取扱対象外の区分
  • 相手の状況:情報収集、更新・移転時期の接近、管理会社の見直し、売却検討など
  • 除外先:既存顧客、商談中、過去の停止依頼、営業連絡を断っている企業や窓口
  • 社内の受け皿:相談種別ごとの担当者、初回回答期限、辞退条件

入口を一つに絞ると、断るべき相談も見えます。法人移転の相談獲得と個人向け投資物件の販売を同じ文面へ混ぜず、対象外の相談は最初から除外します。

候補抽出では、フォーム営業の送信前チェックも使えます。問い合わせフォームの用途、営業お断り表示、過去の接触履歴を確認し、送らない条件を対象リストへ反映します。

宅建業務との境界は行為ごとに確認する

営業代行へどこまで任せられるかは、契約書に「営業支援」と書くだけでは決まりません。2026年8月2日時点の宅地建物取引業法は、宅地・建物の売買や交換、売買・交換・貸借の代理または媒介を業として行うものを宅地建物取引業と定義し、免許制度を定めています。

国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方でも、無免許の者が業として行う宅地建物取引に免許業者が関与しても、無免許事業の問題は解消されないという考え方が示されています。接点を作った後、代行担当が物件の媒介や取引条件の交渉まで進めてよいとは限りません。

では、資料送付と媒介の境目はどこか。個別の行為や報酬設計によって判断は変わり得ます。自社の免許、取引態様、代行担当の所属と権限を示し、行政の相談窓口や弁護士などの専門家へ確認してください。

代行担当へ法律判断を任せる設計は避けます。承認済みの会社情報を案内し、相談の概要を記録し、社内担当との面談を調整する。個別物件の説明、査定、媒介、条件交渉、重要事項説明、契約は、誰がどの権限で行うかを別に定めます。

引き継ぎは「相談あり」の一行で終わらせない

面談だけがカレンダーに入り、相手の立場や希望時期が分からなければ、不動産会社の担当者は最初から聞き直すことになります。代行側が確認できた事実と、確認できなかった事項を分けて渡します。

  • 相手の法人名、部署、担当者、連絡先、希望する連絡方法
  • 相談の入口と、相談に至った背景
  • 売買・賃貸、住宅・事業用など、相手が示した取引の区分
  • 対象地域、希望時期、物件や契約の現状
  • 所有者、借主、買主候補、協業先など、現時点で確認できた立場
  • 他社への相談、媒介契約、社内決裁の状況
  • 受け取った資料と、その保管場所・閲覧権限
  • 代行側が案内した内容、未回答の質問、次回連絡の合意
  • 連絡停止や連絡方法に関する希望

回答が得られなかった項目は「未確認」と残します。物件の所有関係や契約状況を推測で補えば、社内担当は誤った前提から面談を始めることになります。空欄を隠さない記録のほうが、次の調査や辞退を早く判断できます。

営業代行との業務委託契約には、確認項目だけでなく、承認権限、記録の返却、再委託、情報の削除も定めます。営業代行の契約書で確認する条項を使うと、顧客との不動産取引と、代行会社との委託契約を分けて整理できます。

問い合わせフォームは公開されていても用途を優先する

法人や物件オーナー候補への接触で問い合わせフォームを使う場合、入力できることと営業目的で利用してよいことは同じではありません。「営業目的の連絡はお断り」「入居者専用」「物件掲載専用」「採用窓口」といった表示があれば対象から外し、用途を判断できない場合も送らない基準を置きます。

停止依頼を受けた後、担当者名だけを除外して別部署へ送る運用も避けます。企業単位、ドメイン単位、窓口単位のどこまで除外するかを確認し、委託元と代行会社のリスト、顧客管理システム、送信ツールへ反映します。電話や別フォームへ切り替えて、相手の意思を迂回してはいけません。

担当者名や個人用の連絡先を扱う場合は、個人情報の管理が必要です。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、利用目的の具体的な特定や委託先への監督について考え方を示しています。取得項目、利用目的、権限、保存期間、再委託、削除を契約と運用表へ落とします。

フォーム送信後に広告・宣伝メールを送る場合は、2026年8月2日時点の特定電子メール法に関する消費者庁の案内も確認します。送信方法や相手との関係で適用関係は変わるため、受信拒否後の再送を禁止するだけでなく、文面と送信条件を専門家と確認できる体制が必要です。

営業代行会社は件数より権限と停止条件で比較する

2026年8月2日時点の検索上位には、不動産営業代行会社の比較、費用、反響対応、新規開拓を扱うページが並びます。しかし、公開情報だけでは各社の料金を同じ条件で比較できず、成果率も検証できません。候補会社には同じ業務仕様を渡し、何を任せられ、どこで止まるかを比べます。

比較項目確認する内容
支援対象BtoBの新規開拓、反響対応、休眠顧客、オーナー開拓のどれに対応するか
回答権限会社情報、物件情報、査定、取引条件について誰の承認が必要か
法令確認宅建業務に関わる可能性を行為ごとに切り分け、専門家へ戻せるか
引き継ぎ確認済み・未確認を分け、相談背景と資料を安全に渡せるか
規約・停止フォーム用途を確認し、停止依頼と重複接触を全リストへ反映できるか
情報管理個人情報と物件資料の保管、権限、再委託、返却・削除を定められるか
契約条件活動範囲、期間、料金、追加費用、中断・解約条件が明確か

一般的な会社比較の進め方は、BtoB営業代行会社の選び方でも確認できます。2026年8月2日時点でコトムは、問い合わせフォーム営業を中心に対象設計と運用支援を案内しています。

コトムが不動産業界を支援した実績や成果率は、公開情報では確認できません。自社の取引態様と委託したい行為を示し、対応可能かを契約前に確認してください。返信、商談、受注、売上は保証の対象ではありません。

誤った物件情報の案内、承認前の条件提示、既存顧客への重複接触、用途に反するフォーム利用、停止依頼後の再接触、個人情報や物件資料の不適切な共有が起きた場合は、接触を止めて原因を確認します。商談数が目標に届かないことより先に止める条件です。

不動産の営業代行で外へ出しやすいのは、対象条件に沿った候補抽出、初回接触、定型確認、面談調整です。社内に残すのは、個別物件の説明、査定、媒介、条件交渉、重要事項説明、契約の判断です。この境界を行為と権限で決めれば、接点を増やしても取引責任の所在を曖昧にせずに済みます。

委託範囲を決める前に、営業体制を8条件で確認すると、外へ出せる工程と社内に残す判断を整理できます。