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Web制作会社の営業代行|紹介依存から新規開拓へ移る判断基準

株式会社adding / コトム 営業代行 編集チーム

FIELD
営業戦略
PUBLISHED NOTES
32
UPDATED
2026年7月30日

Web制作会社が営業代行を使うなら、外注しやすいのは候補企業の抽出、最初の接点づくり、反応の記録までです。制作方針、見積もり、納期、保守範囲、受注可否は社内に残します。紹介案件が減ったからといって、この境界を決めずに接触件数だけ増やしても、受けきれない相談が制作現場へ流れ込むからです。

したがって、Web制作の営業代行を比較するときは、Web業界での実績やアポイント数だけを見ません。何を売るか、誰に届けるか、どの時点で社内へ渡すか、どんな記録を返すか、何が起きたら止めるかを比べます。営業代行は、紹介に代わる受注経路そのものではなく、新しい企業と話せる状態をつくる手段です。

では、どこまで準備できていれば外注を始められるのでしょうか。境目は営業担当者の人数ではありません。制作サービスを短く説明でき、返信後の判断者が決まっているかどうかです。

Web制作の営業代行に任せる範囲

「ホームページを作れます」だけでは、代行担当者は対象企業も提案理由も選べません。コーポレートサイトの刷新、採用サイト、LP、EC、CMS移行、運用保守では、必要な相手、確認事項、制作体制が違います。

まず、一つの営業施策で扱う制作サービスを絞ります。そのうえで、初回接触と制作判断を分けます。

段階営業代行へ任せる仕事Web制作会社に残す判断
対象設計合意した条件による候補抽出、除外確認得意な制作、受けない案件、採算条件
初回接触承認済みの文面・トークで連絡、反応分類表現、実績、提供範囲の承認
一次確認現行サイト、課題、検討時期、担当者の確認改修方針、技術要件、概算の前提
商談設定日程調整、参加者、確認済み事項の共有誰が出席し、何を判断するか
提案・契約記録や進行の補助見積もり、納期、仕様、保守、受注可否

短く言えば、代行会社は接点と事実を運び、制作会社は約束を決めます。営業担当者が制作可否や納期を推測で答える運用なら、外注範囲が広すぎます。

2026年7月30日時点で、IPAの情報システム・モデル取引・契約書は、情報システム開発におけるユーザー企業とITベンダーの取引を透明化するため、各開発段階の責務と契約書のひな型を公開しています。すべてのWeb制作にそのまま適用する資料ではありませんが、受注前から役割と責任を分ける考え方は、制作を含む案件の引き継ぎにも使えます。

最初に「売る制作」を一つに絞る

紹介案件では、紹介者が制作会社の得意領域を補足してくれることがあります。新規開拓には、その補足がありません。相手は最初の短い連絡だけで、自社に関係があるかを判断します。

営業代行へ渡す前に、少なくとも次を一枚にまとめます。

  • 対象にする制作種別と、対象外の制作
  • 想定する企業規模、業種、地域、担当部門
  • 新規制作、全面刷新、部分改修、保守などの案件区分
  • CMS、撮影、原稿、翻訳、解析、広告運用を含むか
  • 対応できる技術、セキュリティ、アクセシビリティの範囲
  • 着手可能時期と、見積もり前に必要な情報
  • 競合、既存顧客、過去の辞退先、営業停止先などの除外条件

できることを増やすより、初回連絡で約束しないことを決めます。たとえば「アクセシビリティ対応」には、目標とする規格、対象ページ、試験、公開後の運用まで複数の論点があります。デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックも、発注者と受託事業者が適切にコミュニケーションできることを目標の一つにしています。営業文面の一語で対応を約束せず、商談で条件を確認する設計が必要です。

対象と除外をそろえる実務は、フォーム営業リストの作り方にも整理しています。企業名だけでなく、選定理由、情報源、確認日を残せば、代行担当者が変わっても対象基準を保てます。

商談の引き継ぎで素材と権限を確認する

アポイントが入った。そこで営業代行の仕事を完了にすると、制作担当者は初回商談で情報を集め直すことになります。日程だけでなく、事実、相手の希望、未確認事項を分けて渡します。

  • 現行サイトのURLと、相手が挙げた課題
  • 新規制作か刷新か、対象となるサイトやページ
  • 目的として示された集客、採用、問い合わせ、業務改善など
  • 希望時期、予算の有無、社内の決裁・確認者
  • ドメイン、サーバー、CMS、解析、広告アカウントの管理状況
  • 原稿、写真、ロゴ、計測環境を誰が用意するか
  • 保守、更新、障害対応について確認済みの内容
  • 相手の発言原文、代行担当者の要約、まだ聞いていない項目

原文と要約を分けるのは小さな工夫ですが、効きます。「採用応募を増やしたい」という希望が、引き継ぎの途中で「採用サイト全面刷新を発注したい」に変わるのを防げるからです。

制作会社側では、引き継ぎを受ける担当者と初動期限を決めます。接点を増やしても、返信後の連絡が遅れれば、相手にとっては営業代行と制作会社の区別はありません。外注開始前に、商談を受けられる週あたりの上限も置いておくべきです。

営業代行会社を比較する7つの条件

Web制作会社向けの営業代行を比べるとき、公開事例の受注額や商談数は目に付きます。しかし、制作単価、対象企業、成果地点、契約期間が違えば、その数字は自社の見込みとして使えません。比較表には次の7項目を置きます。

  1. 制作種別、対象企業、除外条件を誰が設計するか
  2. 実績や対応範囲を、承認済み情報だけで説明する運用があるか
  3. 技術・納期・見積もりの質問を社内へ戻す基準があるか
  4. 返信原文、選定理由、接触履歴、停止情報を返却できるか
  5. リストの出所、個人データの取扱い、再委託、削除を確認できるか
  6. 問い合わせフォームの用途表示や営業停止依頼を反映できるか
  7. 料金に含む業務、追加費用、契約期間、停止・終了条件が明確か

料金は月額だけで比べず、対象設計、リスト作成、文面、送信・架電、返信確認、商談調整、報告の範囲をそろえます。料金形態を整理する際は、営業代行の費用相場と料金体系の見方も参考になります。

商談数を成果地点にする場合は、商談の定義も必要です。日程が決まれば一件なのか、対象条件を満たし、決裁関係と検討時期まで確認できた状態なのか。定義が違えば、同じ件数でも制作会社が受け取る仕事は変わります。

契約に記録・権限・変更条件を入れる

営業代行の契約書や業務仕様には、件数だけでなく、対象、承認、記録、データ返却、停止を記載します。営業リストや担当者情報を渡す場合は、利用目的、アクセスできる人、保管場所、再委託、事故時の連絡、契約終了後の返却・削除も確認します。

2026年7月30日時点の個人情報保護委員会による個人情報保護法ガイドライン(通則編)は、個人データの取扱いを委託するとき、委託先の選定、契約、取扱状況の把握を通じて必要かつ適切に監督する考え方を示しています。法人名だけのリストと、担当者名・個人の連絡先を含むリストを同じように扱わず、自社の法務・情報管理担当者と確認してください。

また、2026年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法)は、一定の資本金・従業員基準と取引内容に該当する情報成果物作成委託などを対象にします。公正取引委員会の取適法の概要では、発注内容等の明示、記録の作成・保存、支払期日の設定など、委託事業者の義務が案内されています。Web制作や、その一部の再委託が対象になるかは取引ごとに異なるため、個別の適用は弁護士などの専門家へ確認します。

問い合わせフォームと営業メールの境界

問い合わせフォームが公開されていても、営業利用が認められているとは限りません。「営業お断り」「既存顧客専用」「採用専用」などの表示、利用規約、プライバシーポリシーを送信前に確認し、用途が合わなければ対象から外します。判断できないフォームも、送信側に都合よく解釈せず、保留または除外にします。

受け手にとって、短い営業文でも確認と仕分けの仕事は発生します。対象理由を説明できる企業に絞り、会社名、連絡主体、目的を明示し、不要な添付、同じ窓口への反復、関係のない長文を避けます。停止依頼が届いたら、その企業への送信を止めるだけでなく、別担当・別施策からの再接触も防ぐ記録へ反映します。送信前の確認項目は問い合わせフォーム営業のコンプライアンス確認で詳しく確認できます。

フォーム送信後に広告・宣伝の電子メールを送る場合は、フォーム送信と同じ扱いだと決めつけません。2026年7月30日時点のe-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、広告・宣伝メールの送信制限、例外、送信を委託した者を含む規定を置いています。具体的な送信方法への適用は、配信先、取得経路、同意、表示、停止意思などを踏まえ、専門家へ確認してください。

最初の検証で見る記録と停止条件

初期検証では、受注率のような最終結果だけを追いません。対象企業数、除外理由、接触結果、返信内容、商談化、対象外の理由、見積もり提出、失注理由を段階ごとに残します。公開された業界平均を自社の目標にせず、同じ対象・文面・期間の中で、どこに詰まりがあるかを見ます。

次の状態が起きたら、件数を消化するために続けず、一度止めます。

  • 対象外の企業や案件が続き、制作担当者の確認負担が増える
  • 営業禁止表示、用途制限、停止依頼の反映漏れが判明する
  • 承認していない実績、機能、納期、成果が案内される
  • 返信原文や接触履歴が残らず、商談を評価できない
  • 制作・見積もり担当者が対応できる商談上限を超える
  • リストの出所、個人データ、再委託の扱いを確認できない

停止後は、対象、訴求、引き継ぎ、社内体制のどこに原因があるかを一つずつ確認します。対象がずれているのに送信量を増やしても、制作案件の適合度は上がりません。

外注を始められる会社、まだ早い会社

営業代行を始めやすいのは、売る制作を一つに絞れ、対象・除外条件を説明でき、返信後の制作判断者が決まり、受けられる商談数を把握している会社です。紹介営業を残したまま、新規開拓の初回接触だけを小さく試すこともできます。

反対に、何を受けたいか決まっていない、見積もりの責任者がいない、制作実績の公開許可が整理されていない、保守や追加作業の境界が曖昧なら、外注より先に社内の提供条件を整えます。営業代行は、未確定の制作条件を代わりに決めるサービスではありません。

冒頭の問いへの答えは、ここにあります。営業担当者が少なくても、制作サービスと判断者が決まっていれば、接点づくりを外へ出せます。逆に、その二つがなければ、接点が増えるほど制作現場の迷いも増えます。

コトムは、商材、対象、必要な役割を確認し、営業戦略、フォーム営業、電話、継続フォロー、商談支援から対応可能な範囲を個別に提案します。Web制作業界での支援実績や成果率を前提にせず、対象、役割、記録、停止条件を整理したい場合は、営業体制の8条件診断から相談の方向を確認できます。2026年7月30日時点で料金、契約期間、契約形態、追加費用は個別見積もりで、返信、商談、受注、売上、各種率の達成は保証していません。